1月31日。メキシコ8日目!
テキサス行きの飛行機が翌日になったので、今日は水中調査の疲れを癒しつつ、集めたデータの整理を行いました。

そして遅めの昼食はラパスで人気の日本食レストランで。メキシコにまで行って何で日本食をかと思うかもしれませんが、海外で寿司を食べるのは仕事先での私の趣味の一つで、前日にそのことを話していたらロバートが地元で人気の日本食のレストランをこの日の昼食に手配してくれました。
詳しくどのような趣味か説明すると、寿司というのは一見シンプルに見えてとても奥のふかい食べ物。それゆえに各国の食文化に合わせて各国の寿司は独自のアレンジを加えられています。つまり日本食と知られている寿司とはいっても、国によっては完全に別の食べ物になっています。しかも近年の日本食ブームもあって、世界のどの国に行っても寿司を見つけることが出来ます。
私は日本人なので、当然オリジナルの寿司がどのようなものかを知っています。それがどの様に各国の食文化に合わせて変化しているかを観察(食べ歩く)のが水中考古学の依頼を受けて他の国に行った時の私の楽しみの一つになのです。

前菜にカルパッチョやエビチリ(日本食とはいえないですが、そこは港町のラパス。新鮮でおいしかったです。)を楽しみながら、枝豆さんが登場。アメリカの日本食レストランで出てくる枝豆は日本のものと同じく味付けは塩のみですが、メキシコの枝豆はポン酢(おそらく醤油とレモン汁を混ぜたもの)に浸してあって、七味唐辛子がかかっていました。結構おいしい。

そしてテーブルには常に薬味が。青ネギと2種類の唐辛子のソースでした。メキシコ人はこれをお好みでどの料理にもつけて食べていました。日本のマヨラーがどの料理にも少しづつマヨネーズをつけて食べる感覚だと思います。常に食卓の上にチリソースが並んでいるメキシコらしい工夫だと思いました。
そしてお寿司が登場!

私がたのんだのはカボ・スペシャル(Cabo Especial)。カボとはスペイン語で岬(英語でCape)を意味し、おそらく地元の海の幸をあしらったこの店のおすすめのお寿司。
海老の天ぷらが中身に外はハマチのような脂ののったピンク色の魚、そこにレモンの皮をまぶしてあります。そして海老の天ぷらの他に中身はアボカド、キュウリ、そしてマンゴー
ん!?マンゴー!ここにきて現れたか!実はマンゴーは南米のウルグアイ(ブラジルとアルゼンチンの間、日本から見て地球の反対側)で食べた寿司の中にも入っていました。しかしながらアメリカの寿司のなかに現れることはなく。地理的にどこから寿司の中に姿を現すようになったのか気になっていました。おそれながら一口、、、、、
うまい!このマンゴーはそこまで甘くなく、さっぱりとした風味、そこに海老の天ぷらでサクサクプリプリ、アボカドのネットリとした脂っこさが合わさりながらも、外にまかれた魚とその上のレモン皮が全体をさっぱりまとめ上げていました。予想外のバランスの良さと全体のハーモニーにビックリ。ネットリしながらもさっぱりとしたお寿司に仕上がっていました。
そしてロバートがたのんだのは、ストレートにも、、、

マンゴー(寿司)。海老の天ぷらと(おそらく)ハマチを豪快にもスライスしたマンゴーで巻き上げていました。そこにたっぷりのマンゴーソースとウナギのタレ。こちらも少しいただきましたが、全体的に甘酸っぱく、バランスよくまとまっていて美味しかったです。
今回のメキシコ出張で訪れた日本食のレストランはこのお店だけだったので他のメキシコの日本食レストランでのことは詳しくはわかりませんが、ロバートが迷わずこのメニューを頼んでこれが好物だといいながら食べていたのをみると、メキシコでお寿司にマンゴーを使うのは珍しくはないみたいです。
何よりも驚いたのが、このあまり熟れていないさっぱりとしたマンゴーは酢飯や生魚と非常に相性のいい事。とても美味しかったです。
全体的な感想としては、メキシコ料理やメキシコ風寿司は酸味の使い方がとても上手だと思いました。そのためかマンゴーなどの一見奇抜な素材をつかっていても見事に一つの完成度の高い料理まとめ上げていました。

今回昼食を食べさせていただいたのが、ラパスの中心地の海沿いにあるMAHIという寿司を中心とした日本食レストラン。メキシカン寿司、あなどれません。