ポルト・クリストという場所の沈没船群とティント・デ・ベラーノ

1週間無事に終わりました。実は今週の月曜日に新たな帝政ローマ時代の沈没船を発見。そのため今週1週間はフル稼働で朝から晩まで働いていました。新たな沈没船の写真はまたのちのち載せれると思います (といっても発掘されたのはまだほんの一位部ですが。) 写真自由に載せていいよとは言われているのですが、流石に彼らより先に公開するのは気がひけるので、でも楽しみに待っていてください。

今回私たちが発掘している船は紀元前27年から西暦395年の帝政ローマのもの。私がこれまで読んできた他の考古学者の発掘レポートは紀元前509年から紀元前27年の共和政ローマ時代のものが多く、帝政ローマの船は発掘サンプルは数が少なくとても貴重。発掘の合間にチームリーダーのセバスチャンから今まで分かっている共和政ローマと帝政ローマの造船の細かい違いなどを教えてもらいました。(これについてものちに船の考古学で紹介したいと考えています。)

とはいっても帝政ローマ時代の船体構造についてはほとんどわかっていません。新しく発見された沈没船も見たことも聞いたこともない構造が出てきたりとビックリ。ただおそらく使われていたであろうその機能を考えてみると納得。自分の頭の中でのパズルが組み上がっていきます。それらをチームメンバーと話し合いながら掘り進めていきます。楽し過ぎる!おそらく複数の帝政ローマ時代の沈没船船体の発掘経験のある水中考古学者は数えるほどしかいないでしょう。本当に研究者として貴重な経験です。

実はこのポルト・クリスト、今回発見された船を含め約5隻の沈没船の存在が確認されています。3隻が古代船で、1隻が中世の船、あともう1隻はまだわかっていません。現在まで発掘が進んでいるのはまだ2隻のみです。さらにありがたいのは水深が浅く湾内で安全なこと。私たちが行なっているの学術調査はエンターテイメントとしてのダイビングではありません。あまり安全でなかったり、透明度が悪かったり、流れが速かったりという場所での水中調査も多いので、今回のようにこれ以上ない安全な場所での水中作業は正直ありがたいのです。

スペインでの滞在はあと6日程度。月曜日からは別の沈没船の調査を行います。

今回はもう一つおまけで、スペインでのワインの飲み方を紹介します。それはティント・デベラーノ。

赤ワインにサイダー (甘さ控えめのスプライト) をお好みで混ぜて (通常は1:1) で飲みます。スペイン (というよりはヨーロッパ)では昼食時から水の代わりに普通にビールやワインを飲むので、もとよりお酒を飲んでいるという雰囲気ではないのですが、このティント・デ・ベラーノは格別ワインを飲みやすくしてくれて、何より美味しいのです。ワインが少し苦手という人にもお勧め。日本でも赤ワインと三ツ矢サイダーやスプライトなどでできると思うのでお試しあれ!

ちなみにティント・デ・ベラーノの後ろにいるのがチームリーダーのセバスチャン。超やり手のプロ考古学者。今週末はスペイン料理を彼に教えてもらう予定です。

 

<発掘プロジェクト>

<船の考古学>

<おまけ>

 

 

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