井上さん、玉井さん、大槻さん、山本さんとのチームワークと、川津漁業組合さんの協力のおかげで無事に水中3次元測量用の写真データを集めることができました。つくづく考古学とはチーム全員でのチームワークが一番大事なのだと感じました。私よりも遥か前から日本で水中考古学を実践しておられる先輩方。皆さんとの作業は新鮮で、学ぶことも多く、とても楽しく、私自身ももっとこれから日本でこのような仕事が増えないかなぁ、と思いながら毎日過ごしています。何より今は無事に与えられた仕事を終えられて安心しています。勝浦の海域は関東の鬼ヶ島と呼ばれるほど潮の流れが速く複雑で大変でした。
そして昨日、私も以前から大変お世話になっている九州大学の菅先生が勝浦に入られました。菅先生は地質学者のバックグラウンドを持ちつつ、マルチビーム音響探査を用いた浅海底3次元地図作成の世界的権威。昨年は久米島で大変お世話になりました。
今日は私たち水中調査班とは別に、菅先生と機材のレンタルをして頂いてる東洋テクニカさんによって精密機械が漁船に取り付けられました。明日がマルチビームによる海底地図作成の本番です。
今回も菅先生のデータと私たちが作成した3次元測量のデータを組み合わせて、ハーマン号沈没の真実を解き明かしていきたいと考えています。菅先生は相変わらず、とても偉い先生なのに物腰が穏やかで優しく、この人のように周りの研究者に自然と頼りにされる人間になりたいと思わせてくれます。
昨日の夜は私がお手伝いさせてもらっている水中調査班と菅先生を中心とするマルチビーム水中地形図作成班が勢ぞろいしたのでプチ宴会が開かれました。極度の色黒が多いですが日本人100%の調査チームです。
結局、気がついたらいろいろと全てが順調で、予定よりも何日も早く全作業日程が終わりそうです。寂しくなるなー。