千葉県勝浦での水中調査プロジェクトが無事に終了しました。当初の予定では7月30日までの予定でしたが、順調に作業が進んだために予定よりも4日目も早く全てのデータを取ることができました。結果的には台風も接近してきていたので、前半から予定を早めながら作業していたことが良かったです。
今回の調査対象は19世紀アメリカの蒸気船ハーマン号。この沈没船の現状調査と測量図作成がプロジェクトの大きな目的の一つでした。
戊辰戦争末期の1869年に北海道の五稜郭を占拠した幕府軍の残党軍を討伐するため、熊本藩主細川よし邦は品川でアメリカの蒸気船ハーマン号をチャーターし、藩兵350名を乗せ北海道へ出航させました。
しかし出航後、千葉県勝浦沖で嵐にあい沈没。200余命もの命が失われた大海難事故になりました。これがハーマン号海難事件です。
その後、特定非営利活動法人・水中考古学協会の井上さん・玉井さん・大槻さんを中心に20年ほど前から何回か現地での水中調査が行われてきました。今回は彼ら長年日本で活動されている先輩研究者の皆さんと一緒に働ける機会をいただき、調査に参加されてもらえることになりました。
井上さん(上写真)、玉井さん(下写真、右)、大槻さん(下写真、中央)、水中文化遺産カメラマンの山本さん、九州大学の菅教授、九州大学生の木村くんとのプロジェクトはとても学ぶことが多く、なによりも楽しく行えました。
やはり水中考古学の現地水中調査の様子はその国の考古学のあり方や文化によって違ってくるものなのですが、今回は日本の現地水中調査がどのように行われるかを学ぶことができました。私はまだ日本国内の水中文化遺産関係で働かせてもらう機会は多くないのですが、今後のための良い経験ができました。
それと同時に、美味しい勝浦の海な幸を堪能させてもらい、有名なホテル三日月の温泉を満喫したり、夜の海岸で花火したり、日本の夏を感じられた1週間でもありました。
これだけでは遊んでるように思われますが、バッチリとたくさん潜って必要なデータを集め、3次元測量を成功させてきました。また機会があれば皆さんと一緒に働きたいなー。