クロアチア北部にあるイロビック(Ilovik)という小さな島に来ています。この島の近くで約20年前に沈没船が見つかり、考古学者による調査が行われました。その沈没船の積荷は引き上げられ現在は博物館で展示されています。
しかし以前の調査では積荷の研究が主だったようで、船体自体の発掘研究は行われませんでした。今回は沈没船遺跡の現場視察と、今後に船体の調査が可能であるかの判断を行うための潜水調査にやってきました。
昨日から潜水調査を行なっているのですが、なかなか面白い遺跡です。流石に原型をとどめているアンフォラなどは以前の発掘で研究と保護のために引き上げられていますが、それでも多くの陶器片が散らばっていました。海底を数十センチ掘ると木材も確認できたので、船体の船底部分が残っている可能性も大いにあります。
今回の調査チームは少数精鋭でBreaking the Surface の学会直後に水中考古学者を集めて行われました。メンバー構成はクロアチア、チェコ、ニュージーランド、イスラエル、アメリカ、そして日本からととても国際的になっています。
今回は現場調査だけなのでわずか3日間だけの予定ですが、順調に作業が進んでいます。明日も頑張ります。