グナリッチ沈没船、水中写真2018年10月18日

パグ島での潜水調査が終わり私たち水中考古学者のベースがあるパシュマン島のトゥコンに帰ってきました。現在3日間で今年発掘を行った個所の記録作業の総仕上げをして、来年までの保護のためサンドバッグ(土嚢)で遺跡を覆わなければなりません。昨日は一本目の潜水作業で私の3次元測量は終わったので、2本目は現在まだ覆われていない箇所の写真撮影を行いました。

グナリッチ沈没船は16世紀のルネッサンス期のベネチアの大型商船でベネチアからコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)に向かう途中にクロアチア沖で座礁し沈没しました。現在水深27m地点に横たわるこの沈没船水中遺跡は私たちが発掘を開始した当時は完全に砂に覆われていました。その後現在までの毎年1ヶ月~2ヶ月、7年間に渡る水中発掘によって徐々にその姿が明らかになってきました。今回ここに載せた写真は現在発掘が行われた場所のほんの一部で、さらにまだ全体の40%程しか発掘が終わっていません。船の大きさ(全長40m)とその積み荷の多さを考えるとこれからさらに10年近くこの船の発掘研究は行われると予想されます。

私自身も既に数百回と潜っているグナリッチ沈没船遺跡ですが、何回見ても素晴らしい遺跡です。ルネッサンス期の海上都市ベネチアの巨大商船の沈没船遺跡はとても珍しく貴重な考古学的資料でこれからの様々な研究でルネッサンス期ヨーロッパの技術と海洋貿易について様々なことがわかってきます。

とりあえず今回は私が昨日撮影した水中写真をお楽しみください。

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