2019年仕事始め、ダイバーのための3次元測量ワークショップ。

昨日からクロアチアの首都ザグレブでフォトグラメトリーを使用した3次元測量のワークショップが始まりました。今回の仕事はいつもとは少し違ってクロアチアで活躍しているプロダイバー達が参加者です。普段から講師としての仕事はしているのですが、大体は各国の大学院や政府研究機関で考古学者や水中考古学者を相手に行なっています。なので今回のようにダイバーさん達専門にワークショップを開くのは初めてです。

実はこれは私にとってとても嬉しいことです。2012年からこれまでクロアチアで毎年水中文化遺産の保護と研究のためにイレーナ教授とともに働いてきました。彼女はとても積極的で1年間で何箇所もの水中発掘を行い、私はそれらの記録と実測作業を任されてきました。その仕事の評価が伝わり、今回はクロアチアのダイバー達から直接私の元に技術指導してほしいとの依頼が来ました。

私は以前から水中文化遺産の保護にはダイバーさん達の協力が必要であると考えていました。水中発掘の指揮はしっかりと訓練を受けた水中考古学者が行い、その後の研究に繋げなければいけません。しかしながら考古学達は普段は研究所や大学での仕事をしないといけないので、発掘後も現地に残り、遺跡の観察と保護を続けることは極めて難しいのです。いつも沈没船のあるポイント潜り、他のダイバーや観光客を連れて行くことができるのは地元に住んでいるダイバーさん達なのです。彼らの方が考古学者達よりも地元の海に精通していて、海と密接に関係した生活を送っています。また彼らも考古学者と一緒に働くことにより、発掘後の綺麗な遺跡に観光客を連れて行くことによって収益を得ることができます。

つまり、水中発掘の段階からより多くのダイバー達と協力しながら作業を行い、考古学の基礎と発掘方法を伝えます。発掘後は地元ダイバーさん達が中心になり、沈没船遺跡のモニターと保護を行い、観光客を案内しながら考古学者達の研究によってわかった知識を伝え、教育普及活動の担い手ともなってもらいます。

水中考古学者と地元ダイバーのコミュニティが相互利益を生む良い関係を作りながら水中遺跡を共に守って行く、それが理想であると私は考えています。そのための要となるのが三次元測量を使用した水中遺跡の正確なモニターなのです。

そういった目標を掲げて仕事をしてきたので、ダイバーさん達から依頼が来たというのはとても嬉しい出来事だったのです。今回は考古学者ではなくプロダイバー達が相手なので、彼らが必要とする(欲している)技術は考古学者が求めるものとは違っています。なので彼らのために普段とは違ったカリキュラムでワークショップを行っています。今回の仕事を成功させて、この流れが大きくなれば水中文化遺産の保護に繋がっていくと信じています。今回は3日間のワークショップ。あと2日間頑張ります。

ちなみにザグレブでは昨夜から雪が降り始めました。ー4度、寒いです。

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