アメリカのミズーリ州で歴史考古学の学会に参加していました。

クロアチアを1月8日に出発して10日から12日までアメリカでSociety for Historical Archaeology (歴史考古学学会) の学会に参加していました。この学会は通称SHA(エス・エイチ・エー)と呼ばれ、1年に1回、毎年1月の初めに開催されます。開催場所は毎年代わるのですが、今年はミズーリ州のセント・チャールズでした。

水中考古学者にとっての学会とは、どちらかというと最新の研究の発表をする場というよりも、当時の同級生や友人たちとの再会を楽しむ場所といった感じなのです。

私も楽しみにしていたのですが、今年は開催場所がミズーリ州、セント・チャールズとへんぴな場所であったのと(ちなみに普段はニューオーリンズやワシントンD.C.など、学会ついでに観光ができる場所で行われるのが通例なのです)、学会発表の締め切りが早すぎて多くの研究機関では予算のやりくりができなかったというのが合わさり、参加者が普段の半分ぐらいしかいませんでした。さらに直前のトランプ政権のいざこざで政府機関の一部が凍結してしまっているために、結局普段の3分の1ぐらいしか人が集まっていませんでした。普段は2000人ほど集まる大規模な学会なのですが、参加が600人ほどと大変寂しい学会でした。

私は発表を2つました。他にも共同発表があったのですが、なんと発表がダブルブッキングされていて、片方に参加できませんでした。なんとも消化不良の学会でした。

それでも友人たちの何人かは参加していたので、楽しい数日を過ごすことができました。こちらは去年からテキサス農工大学で保存処理を受け持つ教授に就任した親友のクリス。彼は2週間前にこちらも仲の良い友人のキャロリンと婚約しました。仕事もプライベートも順調なようです。

驚きだったのがブルガリアの水中考古学者のアイヴァンがアメリカに3ヶ月間短期留学に来ていて、SHAにも参加していたこと。ビックリしました。

マルタ共和国のティミー・ガンビン教授(真ん中)もいました。現在たまたま息子さんがミズーリ州の大学に留学していて、彼に会いにきたついでに学会にも参加したみたいです。右にいるのはテキサス農工大学の卒業生のアレクシス。3ヶ月前にみんなでマルタ共和国の観光を楽しんでいました。ティミー教授はわざとSHAに来ることを内緒にしていたので、学会で彼を見たときにはビックリしました。

コロンビアからきたテキサス農工大学博士課程の生徒のリカルド(左)に敷かれているのは、メキシコの文化省の水中考古学研究所のトップ、ロバート・フンコ博士(右)。彼と会うのも一年振りです。ロバート博士は私も参加したバハ・カルフォルニア州での潜水艦の水中調査について発表をしました。

男ばかりなので口直しに、こちらはウルグアイで一緒に働いていたアメリカ人水中考古学者のエミリー。今は数年働いた博物館を退職して歴史学の博士課程に戻ったそうです。

私の仲が良い友人は男性が多いですが、実はアメリカの水中考古学者の男女比は50:50ぐらい。大学院ではどこも40:60で女性の方が多いぐらいになっています。水中考古学は優秀な若手の女性研究者が多く、女性が引っ張っている学問になりつつあります。

こちらは夕食の風景。こんな感じで毎晩友人たちと久しぶりに飲みながら色々な話をするのが学会の楽しいところ。参加者が少なかったので、話せた友人も少なかったのですが、それでも楽しい時間を過ごせました。ここに載せられた写真は友人のほんの一部ですが、約50人ぐらいの同級生や、発掘などで一緒に働いた友人たちと再会することができました。

そして最終日の夜は、こちらも親友でクリスと婚約したばかりのキャロリン(中央下)の30歳の誕生日を祝って雪合戦。そして私は完全に風邪をひきました。自業自得です。

ちなみにキャロリンは1週間前に無事に博士課程の最終試験に合格して博士になりました。おめでとう!

クリスとキャロリンは大学院生時代もその後もずっと仲よかった親友の2人。学生時代は本当にいつも一緒にいました。3人とも無事に水中考古学博士になり、2人が結婚することになりとても嬉しいです。これからも良き友人として、そして同僚として一緒に水中考古学研究を何十年も頑張って行きたいです。

ちなみに来年の学会はボストン。もちろん参加予定です。

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