ザダー大学での3次元測量ワークショップ終了。

先週はまるまる1週間、クロアチア沿岸中部の街ザダー(グーグルマップでの読み方はザダル)にある国立のザダー大学で3次元測量のワークショップを行なっていました。クロアチアでのワークショップはすでに4回目。しかしながら今までのワークショップの参加者はプロ(社会人)としてすでに働いている考古学者や他分野の学問の研究者が多く、クロアチアで大学生を専門でやるワークショップは初めてでした。

スケジュールはいつもと同じように1日目で基礎をがっちり詰め込んで、2日目にビデオ映像を使った3次元測量と360度を包括した3Dモデルの作り方。3日目は考古学遺跡の発掘プロジェクトでの3次元測量の使い方。4日目は様々な3次元測量のソフトウェアの使用法。そして最終日の5日目に作成した3Dモデルから研究データの書き出しとデータ変換の仕方を学びました。

参加生徒は14人。考古学を始め、海洋生物学や地質学などなど様々な学部から生徒が集まってきてくれました。授業は火曜日から土曜日までの5日で、午前9時から昼に1時間の休憩を挟んで午後6時ごろまで行っていました。

生徒は全員が集中して5日間よく着いてきてくれました。しかし私も流石に疲れました。1日8時間何かを教えるのは結構体力を使います。でもやる気のある生徒たちのおかげで私も楽しみながら1週間過ごすことができました。

今回のも含めてですが、よくワークショップが終わった後に生徒や他の教員から「今回のワークショップは成功ですか?」と聞かれることがよくあります。実はこれは私にとってはかなり回答が難しい質問なんです。もちろんやる気のある生徒たちが嬉しそうに毎日新しい技術を吸収していく様子を間近で見ていると「はい。」と言いたいところなのですが、やはり大事なのは今後。フォトグラメトリーを使用した3次元測量は実は現在の考古学ではかなり人気の技術で、大きな発掘プロジェクトでは大なり小なり必ずと言っていいほど3次元測量を行っています。その為これまで私のワークショップは受けてくれた生徒さんたちの中でもフォトグラメトリーの技術を持っているおかげで研究機関や博物館に就職出来た生徒さんたちも多くいます。つまり今後彼らが今回のワークショップで学んでくれた技術を生かし、彼らの研究発掘がうまくいき、それが卒業後の就職活動にプラスとして繋がって初めて私は今回のワークショップが成功であったと判断できるのだと思います。今回受講してくれた生徒たちにはこれから3次元測量をなんらかの形で生かして頑張って行ってもらいたいです。

そして今日からはクロアチアの首都ザグレブで再び研究者向けに5日間のワークショップを開始します。頑張ります。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d
search previous next tag category expand menu location phone mail time cart zoom edit close