ザグレブでの3次元測量ワークショップ終了と久し振りのダラダラ休日。

先週は一週間クロアチアの首都ザグレブで3次元測量ワークショップをしていました。ワークショップ開催先々週のザダー大学での集中講義を含めて2週間連続でした。先々週のワークショップが大学生が対象だったのに対して、今回は政府の研究機関で働く水中考古学者が主な参加者でした。開催期間はいつも通り5日間、月曜日から金曜日まででした。

フォトグラメトリーを中心としたワークショップや集中講義はこれまでで今回が18回目、今までにクロアチアでは5回、アメリカで4回、オーストラリア2回、日本・グアム・コロンビア・マルタ・ブルガリア・フィンランド・トルコで1回ずつ行っています。ワークショップなどの教える系の依頼が多いのはやはり冬から春で、夏と秋は実際の発掘現場での仕事が中心になってきます。とはいっても約3年前から本格的にワークショップの講師の仕事を引き受けるようになってから早くも18回目、基本的に10人から15人の参加者を引き受けることが多いので、これまで私の3次元測量の考古学目的使用の方法応用論を教えてきた考古学者は200人を超える計算になります。嬉しいことにワークショップをきっかけに3次元測量のキャリアを築き始めた同僚も数が多くなってきました。

今回のワークショップでアシスタントをしてくれたクロアチア人水中考古学者のパブレもその一人。彼とは2013年のクロアチアでのプロジェクトで最初に出会い、それからは仲の良い友人として付き合ってきました。私も2016年に大学院を卒業してそれからは本格的に考古学遺跡における3次元測量の専門家としても働き始め、彼も昨年に私のドゥブロブニクでのワークショップを受講してくれました。その後は彼の本拠地であるザグレブの研究所で3次元測量の専門家としてのキャリアをスタートして、現在では大活躍しています。今回のワークショップも彼の提案で行うことになりました。

彼をはじめ私と同じ方法論を扱っている考古学者の友人たちは遺跡と文化遺産の保護を第一の目的として活動しています。そのためにより多くの考古学者や研究者に正しい(将来使えるデータの制作とその活用の)方法論をより多くの研究者や生徒たちに広めていくために協力し連携しながらワークショップなどの依頼を受け開催しています。今後もより多くの考古学者と連携を取りながら方法論を進化させながら広めていきます。

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さて今回のブログの題名でも少しふれたのですが、金曜日にワークショップが終了して、昨日の土曜日にバスで4時間離れたザダーに帰ってきました。そして今日は久しぶりに滞在しているアパートから一歩も出ずにのんびり映画などを何本も見ながら過ごしました。これまでにも仕事をしない日などはありましたが、基本的には移動日などで一日中飛行機や車に乗っていたり、たまっている研究や書類整理などで大学や外に出ており、本当に一カ所(半径100m以内)に留まりゆっくりしたのは恐らく2018年12月の前半に日本に帰った時直後以来。その時は4カ月も海外の発掘を渡り歩き働いた後でした。私は毎年のことですが夏に何カ月も各国の発掘などで働いたのちに帰国した直後は2・3日疲労と時差ボケで動けなくなります。そのあとは12月の中盤からすぐ静岡・東京に出張して、鳥取に準備と荷物を取りに帰ってから、ザグレブ・ザダー・ザグレブ・ミズーリ州・テキサス州とまわり、2月に鳥取県の自宅に3日間滞在し、再び博多・東京・テキサス・イスタンブール・ボドルム・イスタンブール・ザダー・ザグレブと出張してきました。もちろんこの間にも何日か休日はあったのですが、友人と出かけたり観光したりで(風邪で熱を出してホテルに籠った日も数日ありましたが、それでもパソコンで仕事はしていました)、一日中パソコンを開かないでゆっくりしたのは本当に久しぶり。4カ月ぶりです。先ほど久しぶりに自分で作ったスパゲティを食べた後にゆっくりシャワーを浴びながら、ふとそんなことに気づきました。でもこれだけ働いていてもストレスが全くたまらないのは好きなことを仕事に出来ているからだと思います。それはとても幸せなことですが、一日中だらだらするのもとても素敵なことです。子供を持つ家庭の私と同年代の親御さんたちは今日の私のようにだらだらと過ごすことはもう何年もできていないのでしょう。そう考えると今日のような日がどれだけありがたいか実感できます。今日はしっかり充電できたので明日からまた頑張ります。

 

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