フィールドスクール8日目、2000年前の船を感じる。

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マヨルカ島古代ローマ沈没船水中発掘フィールドスクール8日目が終わりました。この日が水中作業の最終日になります。

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一本目の作業は沈没船遺構の周りに深い溝を掘る作業。ポート・クリストの沈没船は浅瀬の砂場にあるため、常に砂が遺跡の上にかぶさってきてしまいます。そのため周りに溝を掘ることによって発掘調査中に砂が沈没船遺構に入ってくるのを防ぐのです。

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そして二本目のダイブではこの一週間皆さんの水中作業で掘り出された2000年前の沈没船の調査を行いました。数日前の講義で学んだシェルベースコンストラクションという古代の方法で建造された古代ローマ船のペグド・モーティス・アンド・テノン接合もしっかりと確認することができました。

何よりも2000年前の船でありながら、残存する部分の木材はまるで数日前に沈んだかのような状態です。この保存状態のよさが水中考古学を特別な研究分野にする由縁でもあるのです。

 

そして今回のフィールドスクールにおけるすべての水中作業が終わった後では、最後の講義も行われました。最後の講義とはスペインのお酒「サングリラ」の作り方を覚えるというものです。スペインのプロジェクトリーダーの一人であるハヴィが作り方を教えてくれました。

 

 そしてその後は「宴」です。これも水中考古学の一部。私が皆さんに是非体験してもらいたかったものでもあります。水中考古学の仕事をすることで、現地の人々と共に生活をしながら様々な会話をして、その国の文化を学び、自分の中の世界観を広げていくことができます。これは観光客として数日その国を訪れるだけではできないことです。

皆さんにはこの体験を通して水中考古学を少しだけでも好きにりながら、いろいろな新しい発見をしてもらえたら嬉しいです。明日はいよいよ最終日、水中作業は終わったので、少し体を休めながら今回のフィールドスクールの総括を行います。

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