明日からマルタ大学の国際水中考古学学科のフィールドスクールが始まります。今日は朝から機材の準備をしていたのですが、改めて感じたのが「手作り感」。
水中考古学と陸上の考古学の唯一の違いが研究データの集め方、つまり発掘の仕方です。基本的に水中考古学と陸上の考古学に違いはないのですが、研究対象の遺跡が水中にあるために発掘の仕方やそのために使用する機材が変わってきます。
もちろん水中考古学は超マイナーな学問なので、水中発掘用の機材などは市販で売っていません。そのためにエンジンポンプなど様々な別の用途のために使われている機材をかき集め、自分達で必要な機材を作るしかないのです。もちろん遺跡の場所や環境によって水中発掘に必要な機材が違ったり、国によって手に入る機材が違ってきます。
その為に各研究機関が独自の方法で機材を手作りして発掘を行っています。基本的にはどの研究機関も似たような機材になっているのですが、少しずつ違っていて面白い。マルタ大学でもアレンジされた手作り機材を使用していました。勉強になります。
マルタ大学では修士課程の大学院生向けのフィールドスクールが明日から3週間行われます。私は次の仕事の関係で残念ながら1週間弱しかいられないのですが、特別講師として最初の1週間発掘の手伝いをしていきます。
少し余談なのですが、昨日はフィールドスクールでの準備が昼過ぎに終わったので、夕方からバスで大学から15分ぐらい離れたところにあるセント・ジュリアンという繁華街に行ってきました。ここにはコスタコーヒーというヨーロッパの大手チェーンのカフェがあり何時間もパソコンで仕事ができます(スタバみたいな感じ)。滞在中のホテルの部屋での仕事も飽きてきたので気分転換にカフェでコーヒーを飲みながら「意識高い系」みたいに仕事をしてきました。
少し驚いたのが日本人留学生の数。4時間の滞在中に8人程見ました。今までマルタ共和国では大学の教室があるイムシーダとバレッタを行き来しており、その他の観光地にも訪れてきましたが日本人はあまり見かけませんでした。バレッタがマルタ共和国の首都で、美しい中世の城塞都市なのですが、カフェのあるセント・ジュリアンは現代的な都市な感じでショッピングセンターや映画館のある繁華街です。どうやらここには沢山の語学学校があり多くの日本人を含めた外国人が英語を学びにきている様子。外国人の彼氏と休憩している日本人女性や、日本人留学生カップル、語学学校の宿題をしに来ている日本人女性グループや男の子達のグループがいました。私は色黒すぎて日本人だと気付いていなかったようで、皆さんけっこう大きな声で世間話をしていました。少し聞き耳を少し立てていましたが、皆さんとても楽しんで海外での2回目の青春を謳歌している様子。私がアメリカにいた頃は大学院へ入学するためと大学院で生き残るために勉強しかしていなかったので、昨日見かけた日本人留学生をとても羨ましく感じました。こんな留学の形もあったのだなパソコンをカタカタ打ちながらリア充の日本人達に囲まれて一人でたそがれてた午後でした。