マルタ共和国から帰ってきました。

一昨日にマルタ共和国での仕事を終えて日本に帰ってきました。今回の仕事は第二次大戦の船と戦闘機の3次元測量、何人かの大学院生達の修士論文の指導、そしてフィールドスクールの講師でした。

今回の生徒達とは昨年の11月に1週間授業を受け持っていたので、久しぶりの再会。あれから色々な勉強をしており見違えるようにたくましくなっていました。

そして友人達との再会。もともと私がマルタ共和国からの仕事を貰えるようになったのもマルタ大学のティミー・ガンビン教授の水中発掘で働いているテクニカルダイバーのジョン(上写真)と水中考古学学者のダルコが以前に私の3次元測量ワークショップに参加しており、そのつながりで昨年からマルタ大学の特別講師として呼んでもらえるようになりました。

今回は2週間と少し働かせていただいたのですが、その後半は大学院のフィールドスクールでした。発掘場所は30年前に東ローマ帝国(ビザンティン帝国)の沈没船が見つかったとの報告があった場所。その他にもアンカーやアンフォラも沢山見つかっています。

フィールドスクール中は大学に朝の7時に集合し、発掘が終わって片付けをして解散するのが夕方の6時ごろと毎日なかなかハードでした。何日かは帰りが9時ごろでした。でも楽しかった!

生徒達にとっては初めてのフィールドスクール(水中発掘)なので、発掘に使う機材の組み立てなどの基礎から応用技術までを1から丁寧に教えました。

それにしても生徒達が可愛すぎる!彼らは23歳から25歳までで、私とは一回りも違い、彼らにとっては学ぶ全てのことが初めてで、とても注意深くできるだけ多くのことを学ぼうと頑張っています。自分にも10年前は彼らの場所にいました。7人の生徒は全員が性格が良く、頭の回転も早く、とても楽しく教えることが出来ました。

マルタ大学の国際水中考古学学科はまだできて数年の修士課程プログラムでガンビン教授は様々な国から講師を招待して講義を組み立てています。その講師達の中では私はかなり若い方なので、生徒達も仲良くしてくれました。

次は彼らとは数年後に「講師と生徒」という関係ではなく、同じ現場に立つ「同僚」として再会をしたいです。

この最近湧き上がる水中考古学を一生懸命に学ぶ生徒達を可愛いと思う感覚。自分も年をとったのだと実感させられます。

こちらがマルタ大学のティミー・ガンビン教授。彼はもともとは陸上遺跡の考古学者なのですが、その他にも水中探査用のAUV(自立型無人潜水機)やROV(遠隔操作型無人潜水機、水中ドローン)なども扱うエキスパート。そして50を過ぎているにもかかわらず水深110メートルのフェニキア沈没船を発掘するために自らテクニカルダイバーの資格を取るなど、とても積極的に現場でも活動しているヨーロッパでは誰もが知る有名な水中考古学者です。

彼からはとてもよくしてもらっており、いつも私にもテクニカルダイバーの資格を取り一緒に深い遺跡(60メートル〜120メートル)に潜ろうと誘われています。でも深すぎるので断っています。人生をある程度満喫した後だったらとってもいいのですが、まだ私には早過ぎます。

上の写真はガンビン教授(右)とマルタ共和国を訪れていた私の大学院時代の教授のケビン・クリスマン(右)。今回のマルタ共和国ではクリスマン教授の他にも大学院時代の友人に会えました。

最近は様々な国で思いかけず大学時代の同級生や先輩と再開します。これも海外での仕事の楽しみの一つです。

2週間忙しかったですが、毎日とても楽しく過ごせました。現在もマルタではフィールドスクールが続いています。私は次の仕事の関係で最後まではいられなかったのですが、来年も参加する予定です。本来なら毎年11月に1週間の集中講義をマルタ大学のキャンパスで行なっていたのですが、これがキャンセルになり、来年からは6月の集中講義兼フィールドスクールの講師として3〜4週間よんでもらえることになりました。大好きな国の一つマルタ共和国。また訪れるのを楽しみにしています。

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