アメリカに来て1週間と水中考古学者あるある。

アメリカのバーモント州に来て1週間が経ちました。今回はバーモント州にあるシャンプレーン湖の海事博物館からの依頼で今週の月曜日から19世紀の蒸気船の水中3次元測量を始めます。

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CC_Zirije

着いてからこれまでの1週間は何をしていたかというと、3次元測量ワークショップで海事博物館と隣の州の水中考古学者にフォトグラメトリーを教えていました。

シャンプレーン湖はアメリカ北東に位置し五大湖とハドソン川の河口にあるニューヨークを水路で結ぶ重要な場所にあり、18世紀初頭は様々な蒸気船製造の会社が設立され、初期の蒸気船の進化の歴史を理解する上で欠かせない場所です。

その為のテキサス農工大学とは古くから付き合いがあり、私も2015年と2016年に水中発掘のために訪れたことがありました。その時はテキサス農工大学のプロジェクトだったのですが、そのプロジェクトを全面的に支援してくれていたのがシャンプレーン湖海事博物館でした。今回はそのシャンプレーン湖海事博物館からの依頼です。

そんな海事博物館があるのはシャンプレーン湖のほとりの宿泊施設で、近くの町からけっこう離れています。いわば雄大な山と湖と緑に囲まれての生活。実は結構これは新鮮で私にとってはありがたいことでもあります。

一年のうち10ヶ月以上海外で生活している私が、海外出張中に滞在しているのは常に海の目の前。日本に帰ってきて、少し休みがある時は日本の古くからの友人と遊ぶことも多いのですが、35歳の私の友人は家族持ちが多く、週末に遊びに行くとなったら友人家族と一緒にどこかに行くことが多いのです。

日本の友人達はもちろん私が海が好きなのを知っているので、出かける目的地の第一候補で海を選んでくれます。しかしながら私は常に海辺で過ごしているので、休みにまであまり海には行きたくない。しかもいつもカリブ海やエーゲ海の絵に描いたような海を見ていますし、日本の灰色の砂浜にはそこまで惹かれません。どちらかというとせっかくの日本での休暇は山の緑の中で過ごしたい。といっても泊まりがけで山奥の温泉に友達家族と行ったりするのは難しいので、第二候補として水族館を提案されます。しかしいつも太平洋の美しい島でサンゴ礁と熱帯魚に囲まれての仕事することも多いので、あまり今更水族館にも惹かれません。そんなこんなで結局は動物園に落ち着くことが多いのです。

もちろん私の同僚の水中考古学者も海が大好きな人ばかりなのですが、何ヶ月も青に囲まれた海で働いた後の休暇は、緑を求め山に行きがち。ちょっとした水中考古学者あるあるでした。

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