コスタリカ2019、総括。

コスタリでの3週間の仕事が終わりました。今回の仕事内容は9日間の3次元測量ワークショップと10日間の水中調査でした。

コスタリカの南東部の町カウイタには18世紀初頭のデンマーク船が2隻沈んでいます。その積荷からデンマーク船ということはほぼ間違い無いのですが、来年度から発掘作業を始めるには、積荷のレンガのサンプル回収と、水中遺跡の状況を詳しくレポートにまとめる必要がありました。今回はそのための事前調査だったのですが、それに伴って、コスタリカの考古学者や学生に頼まれて水中測量やフォトグラメトリの指導も行いました。

9日間のフォトグラメトリを中心とした3次元測量ワークショップは大成功でした。皆さんにとても喜んでもらえました。カウイタにある沈没船遺跡は一般的に考えるとデンマークの船なのですが、コスタリカの人々から見ると、彼らの歴史の始まりの一部。自分たちの文化遺産としての重要さを認識しており、これを機会に自分の国でも水中考古学を発展させていきたいという強い想いを持っていました

一般的に奴隷貿易といえば負のイメージが強いですが、それでも彼らに取っては大事な歴史の一部。それに目を背けるわけではなく、かといって外国の研究者に丸投げするわけでもなく、力を合わせながら一緒に歴史を研究していく道を選択しているのです。私も可能な限りお手伝いしたいと思います。

そして沈没船の調査も大成功でした。まだ未発掘のため、砂に埋まっていますが、一部露出したレンガや、周囲の水中地形から推測すると沈没船の船底の大部分が地中に埋まっている模様。その状況からどのようにこの遺跡が破棄され沈没船になったのか、その過程が鮮明に蘇ってきます。以前にこの遺跡に潜ったことのある研究者の見解では、おそらく船の船体は残っていないだろうとのこと。しかしながら私の推測では13m x 5m程の範囲で船体は間違いなく海底に埋まっています。

この結果をコスタリカ側に伝え、来年から今後数年間デンマークとコスタリカで協力しながら発掘を目指すことになりました。

今回初めて訪れた国「コスタリカ」。正直来る前はどのような国かぼんやりとしか見えていませんでした。

実際に訪れてみると素晴らしい国。自然は綺麗で、ご飯は美味しく、動物は可愛く、そしてコスタリカ人は穏やかで親切な人たちでした。

3週間とても楽しく充実した時間を過ごせました。コスタリカで動き始めた水中考古学という学問誕生の流れ。この流れの一部となれたことを光栄に思います。この水中発掘プロジェクトがコスタリカの水中考古学の夜明けとなりますよう、私も全力で頑張ります。来年からが本格的なスタートです。

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