チューク諸島の光と影。

チューク諸島での水中考古学フィールドスクール開催に先立ち、グアム大学のジェフリー教授と水中遺跡の経年変化測定(遺跡のモニタリング)の基礎となる3Dモデルの作成を行っています。これに必要なボート代やダイビング費は今回のフィールドスクールの授業費(利益)を使わしてもらっています。本当に感謝。

本当に美しいチューク諸島。ため息の出る景色が広がっています。

3日前に現地に到着してから現地チューク諸島に在中する日本人の皆様にもご挨拶しつつ色々なお話を聞かせていただいています。

やはり外者の私とは違い、現地に住む方々は多くの経験に基づいた意見と知識を持っています。

重々わかっていたことなのですが、やはり社会としてのチューク諸島は未だに様々な問題を抱えています。

ただ「貧しい場所」と一言では表せない問題。何をもって豊かになるというのか?私達日本人の考える問題は現地の人々は問題と見ているのか?チューク諸島の人々の幸せとはなんなのか?協力とは何か?進むべき方向は?本当に必要なのは?

その様な話をチューク諸島在中の日本人の皆さんに改めてお聞きすることができました。とても貴重な意見。ありがたい!

ただ皆様の意見として一貫として言えるのは。このチューク諸島とチュークの人々を愛しているということ。だからこそ「美しいところ」というだけではなく、「悪いところ」からも目を逸らさず受け入れた上でこの場所と人を大好きと言っていました。

現実の光と影を直視して、そしてこのチューク諸島を大好きだと断言しているチューク諸島在中の日本人。彼らの協力と知恵をなくして、これからこの場所の水中戦争遺跡を守っていくことなど出来るはずもありません。単純に彼らの大きさをかっこいいと思いました。

希少なご意見とご協力。ひたすら感謝。私も少しでもこの場所とここに住む人々、そして未来のために何か出来る様に力の限り努力をします。

そして今回のフィールドスクールの1番の目的である水中遺跡と遺跡データの保護と保存。これはチューク諸島に限らず、私の行なっている全てのプロジェクトに言えることなのですが、、、

「考古学」とは一言で表すと「お金のある国の道楽」です。つまり明日の食べるものも十分に確保できない国の人々にとって、歴史なんて考える余裕はありません。

ただ歴史というのは人々の誇りとなり、道標にもなり得るものなのです。(悪いプロパガンダや政治に利用されることもあるので注意もひつようなのですが。)

彼らが将来、食べるものに困らなくなり、自分たちに歴史について知りたいと思った時、もし遺跡が残っていなくては歴史を紐解くことが出来ません。歴史を知るということは素晴らしいことです。楽しいことでもあり、文化と社会を豊かにしてくれます。

私の力ごときでは、彼らの「今」を豊かにすることはできないかもしれません。でも彼らの将来、孫の世代の「知識探究」の手助けとなる可能性を信じて、もしそんなことができるならと願っています。それが私にとっての「考古学」への恩返し。働く意義の1つです。

ここミクロネシアでも、温かくでかいチューク在中の日本人の皆様のお力をお借りして頑張ります。

*何か暑苦しくてすいません。3日前からいろんな方のお話をお聞きさせていただきました、いい意味でたくさん考えています。

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