
相変わらず強風で大荒れのフォルメンテラ島。
3日目は90年代に引き上げられた16世紀のアンカーを使い陸上で実測図作成の練習を行ないました。

水中考古学の手作業での実測を行う上で陸上での実測と違うところは「会話ができない」こと。当たり前ですが水中では話せません。
そして潜水病の関係で「時間が限られている」こと。
さらに透明度が良くないところでは相手の姿を見ることもできません。
そのため求められるのは、「計画」と「効率」。これが全ての水中考古学での水中作業では必須になります。


参加者の皆さんには2つのグループに別れてもらい、テープメジャー(巻尺)のみを使いアンカーの測量をしてもらいました。ただ作業中の会話は禁止。どうしてもチーム内で会話が必要な場合にはノートに書いて筆談してもらいました。


夕方からは朝にとったアンカーの寸法データから実測図の作成。実測図とは「1000年後の研究者が、その図から遺跡の正確な寸法を取り出すことのできる縮尺図」を作ること。極めて簡潔にしながら正しい寸法の情報を伝えなければいけません。そのための書き方を学びます。

実測図作成に時間がとられていたので、夜ご飯はピザ。スペインはピザもうまし!


その他にも150年前に建てられた灯台(博物館)見学やウルブルン沈没船やケープゲラドニア沈没船を含んだ「フェニキア(サイロ・カナン地方)」の造船史」の講義を行ないました。
水中考古学にどっぷりの毎日。明日からはいよいよ水中での測量の練習を始めます。