フォルメンテラ島水中考古学フィールドスクール7日目

今日は来週から行う沈没船遺跡の測量に必要な「トライラテレーション」という技術を練習しました。

昨日まで練習していたのが各遺物の測量方法。次は測量した各遺物の位置を割り出すための技術です。

水中ではトータルステーションやGPSが使えないので発掘された遺物の位置を測定するのが難しいのが水中考古学における測量。そこで水中考古学者がよく使用するのがトライラテレーションという技法。

ざっくりいえば各ポイントからコントロールポイントや他のポイント間の距離を測り、それをコンピュータに入れるとXYZ座標を割り出してくれるというもの。このうちのXY座標を使い正確な上から見た実測図を作成します。

90年代と00年代に主流だったこの技術は、今でも透明度が悪い水中や遺跡や海藻が生い茂る遺跡で活用されており、水中考古学における測量の基礎の一つとされています。私も学生時代様々な水中考古学の現場で使いました。

まずは部屋でトライラテレーションの概説を行い、システムとソフトウェアの説明を行ってから、陸上(外)で練習を行いました。

その後で部屋に戻り、現場で取った100以上の測量データをコンピューターに打ち込み計算させます。

2チームともバッチリ仕上げました。私も今まで沢山の国の大学院でこの技術を教えてきましたが、初めてでしっかりと出来るのはなかなか難しいこと。皆さん優秀です。

来週からは風もおさまる予報なので、沢山潜って16世紀の水中沈没船遺跡の実測図を作成します。

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