
水中考古学フィールドスクールも実技講習が全て終わりました。


本日は昨日まで集めたデータを整理して、更に遺跡の実測図に起こします。
今回の実測図作成作業の流れは、
①遺跡内に散らばる1つの錨と13の大砲の個々を水中で測量。
②これらをもとに方眼紙に錨と大砲の1:20サイズの実測図を作成。
③個々の錨と大砲で最低二箇所のコントロールポイントを設定。これら沈没船遺跡内に広がる遺物のポイント間を蜘蛛の巣状に測量。
④遺物間のポイントの距離と水深を専用のコンピューター上に打ち込み、各遺物のXYZ座標を抽出。
⑤そのうちのXY座標を書き出し、それと②の実測図を基に正確な寸法と遺物間の距離を持った実測図を作成。






今日は1日かけて⑤の作業を行いました。
そして夕方までに素晴らしい実測図が完成。
これにはスペイン人水中考古学者のハヴィもビックリ。それというのもこのトライラテレーションという水中での測量技術は正確だけれども実は「とても難しい技術」。海外の水中考古学を専門にしている大学院でも実際に教えている場所は少ないのです。
それを水中考古学に2週間前に初めたばかりのダイビングのプロでもない日本人6名が1週間の訓練の後、僅か数日間の遺跡での潜水作業でしっかりとした30m x 20m (錨を含めると80m以上)の縮尺実測図を作り上げました。
ちなみに私は1週目のトレーニングの指示と各方法のコツの教えたのみ、2週間目は軽いアドバイスをしただけで後は皆さんが自主的に計画して作業を進めました。本当に素晴らしいです。
そして、本日は遂にコロナクライシス「非常事態宣言」でスペイン全土が本格的にシャットダウン。
なので1日早くフィールドスクールを切り上げるて、皆さんで日本に帰ることにしました。
なので明日で解散になります。今回は本当に潜水作業と実測図作成まで全部無事に終われて良かったです。
こちらは実測図作成完了の後のお祝いの様子です。
お別れが寂しいです。