
「いいかい、とあるところに一人の水中考古学者がいた。彼は仕事の関係で1年で4日間(2週末)だけしか<彼女>と呼ばれる特定の女性に会えない。なのに昔、彼はいつもそれら特定の女性からの命令で、メールやLineなどに1日1時間ぐらいの時間を取られていた。つまり1年間で365時間も労働しなければその女性たちは彼に会ってもくれなかった。もし時給が1000円だとしても36万5000円分の労働をしていたことになる。この4日間に彼が女性に毎日9時間もデートしてもらえたとしても36時間。つまり彼は休暇に女性と会っている毎時間ごとに約1万円をその女性に支払っていた計算になる。そして1時間女性と過ごすために彼には10日間(1日1時間のメッセージ交換x10)、1日中(9時間)過ごすためには90日間分もの<発掘期間中の貴重な睡眠時間を削った労働>が伴っていた。つまり水中考古学者の彼にとって<彼女>というのは完全な<ブラック企業>。つまり、彼女がいる水中考古学者は完全に狂っている人間なんだ。」

「残念ながらその彼のまわりの水中考古学の同僚は全員が計算のできないか、狂った人間ばかりなんだ。更に全ての女性というのは彼がいくらしっかり連絡をしていても、結局は寂しいという理由で100%近場の男に走った。それはいい。ただ女性という生き物は、その事実を何故か会う直前まで伏せる。結局、彼の睡眠時間を削った労働は無駄にしかならなかった。事前に知らされていれば睡眠もとれ、交通費も無駄にならなかった。つまり<女性とのお付き合い>は<ブラック企業>どころか<ブラックホール>そのものなのだ。
それが3年前に一人の水中考古学者である彼がたどり着いた結論さ。現在の彼は36万5000円の浪費をせず、しっかり睡眠時間にあてた賢い考古学者になった。わかるかい。