2019年12月5日
「スペイン・フォルメンテラ島
大航海時代の沈没船水中測量、水中考古学・船舶考古学フィールドスクール」
概要
2020年3月1日~3月14日の2週間(14日間)、スペインのフォルメンテラ島に所在する15世紀後半(大航海時代初期)の沈没船遺跡にて、潜水「水中測量」の実技演習、及び「船舶考古学」の集中講義を含む水中考古学のフィールドスクールを開催します。
期間:2020年3月1日(日)~ 3月14日(土) 計14日間(15泊)
- 対象:18歳以上(20歳以下は保護者の承認が必要です。)
- 主催運営:合同会社アパラティス
- 〔現地サポート:IBEAM (Instituto Balear de Estudios en Arqueología Marítima)〕
講師陣
主講師:山舩 晃太郎
{合同会社アパラティス 代表社員、海事考古学博士(テキサス農工大学:Texas A&M University)}
- 現地サポート:Javier Rodrigues Pandozi (IBEAM), Sebastia Munar Llabres (IBEAM)
参加費
参加費(旅費を除く):18万円(消費税別)学生料金
*この学生割引の対象は30歳以下の大学生・大学院生のみ
*学生ではなくても満22歳以下の方は学生料金を適用させていただきます。
*学生料金希望の参加者の皆様には、申し込み用紙を受け取り後、あらためて「学生証」等の在学証明書の写真・「免許証」等の年齢確認のための写真を添付メールにてお願いすることになります。あらかじめご了承下さい。
- 学生以外の社会人の方:24万円(消費税別)
学生以外の社会人の方も参加も歓迎します。こちらは学生料金が適応されませんので、参加費は24万円(消費税別)になります。
※当社主催の他のフィールドスクートは違い、今フィールドスクールはダイバー以外の皆様も参加可能です。学生の皆様が11万円(消費税別)、学生以外の皆様は17万円(消費税別)になります。基本的に午前中は自由行動になります。あらかじめご了承下さい。
*参加費に含まれるもの:宿泊費、食費(朝・昼・夕)、ダイビング料(1日1回、全9回予定)、ダイビング機材のレンタル費用、期間中の現地移動費
フィールドスクール開催の背景と目的
・近年の水中探査技術の発達とそれによる成果が奏功し、日本国内でも水中考古学が徐々に注目されるようになってきました。そして、今後、多くの水中遺跡が発見され、当該遺跡の調査と整備が行われていくと考えられます。しかしながら日本国内の水中考古学界においては実際に潜って考古学的な調査のできる研究者やダイバーの数が不足していると言わざるを得ません。今後、日本国内の水中考古学の発展を支えていくためには、「水中考古学」を正しく理解している研究者、ダイバー、一般の方々を多数輩出する必要があります。その一助とするために本フィールドスクールを開催します。
・今回のフィールドスクールは大学生・大学院生への水中考古学の指導を主な目的としています。水中考古学を卒業論文のテーマに選ぼうとしている日本の学生や、これから大学院でこの学問を学んでみたいという若い研究者・学生に最新の水中考古学の現場を体験していただくためにもこのフィールドスクールを開催します。
・このフィールドスクールでは、陸上考古学の経験がある学生には「水中遺跡の調査方法」を、ダイビングをたしなむ学生には「水中考古学がどのような学問であるか」を、そして水中考古学に興味のある学生には「水中考古学の面白さ」伝えます。
本フィールドスクールの特長
1) 我が国の水中考古学を学びたい学生を主たる対象とする講座です。
・近年日本でも徐々に学生が水中考古学を大学や大学院などの教育機関で学べる機会が増えています。しかしながら、これら特定の大学・大学院生以外には「学べる場」が無いのが実情です。水中考古学という学問を学びたいと考えている全ての学生に水中発掘と水中記録作業を経験する機会を提供することができるのがこのフィールドスクールの大の特長です。
2) 歴史と考古学に関心を持つ一般社会人の皆様にも門戸を開放します。
・考古学と歴史学に興味を持つ一般の方にもこの門戸を開き、水中考古学の楽しさを体験していただく場を提供します。歴史や遺跡は研究者や政府のものではなく、人類共通の宝物です。今回のフィールドスクールでは職業や年齢などによる参加制限は撤廃し、水中考古学に興味のあるすべての人に最先端の水中考古学を経験する機会を提供します。
3) 500年前の沈没船遺跡を舞台に水中考古学の基礎技術を学ぶことができます。
・本フィールドスクールで水中調査演習の対象となる沈没船は15世紀のスペイン船です。海底には大砲と錨が散乱しており、これらの水中での測量を行いながら水中考古学に必要な基本的な技術を学んでいきます。
4) 講義では2週間「船舶考古学」について学びます。
・「水中考古学」の中で最も研究の行われている分野が「船舶考古学」です。船は古代から人々が海を越えるための唯一の手段でした。船は海を越えて人々と文明を繋いできました。今回のフィールドスクールでは「船の歴史」つまり「船舶の考古学」を水中講習と並行して学んでいきます。
フィールドスクールの標準的な1日のタイムテーブル
・午前7時~8時:朝食
・午前9時~午後1時:潜水作業演習「15世紀スペイン船遺跡の水中測量」
・午後2時~3時:昼食
・午後4時~7時:講義「船舶考古学」
・午後8時:夕食
日程表

演習や講義の概要
1) 潜水作業演習「水中測量作業」
・フォルメンテラ島に所在する15世紀の沈没船遺跡を教材に、経験豊富な水中考古学者の指導の元、水中遺跡の測量の基礎を学んでいきます。
2)講義
・今回のフィールドスクールでは「船舶考古学」に焦点を当て、「古代エジプトの船」から「大航海時代の船」まで、海を越え文明を発達させた「船」という機械がどの様に進化してきたかを学んでいきます。講義のテーマとしては「水中考古学概論」、「エジプトの船」、「古代フェニキアの船」、「古代ギリシャの船」「古代地中海の戦艦」「古代ローマの船」「ビザンティン帝国の船」「錨の考古学」「北欧・ヴァイキングの船」「大航海時代の船」を用意しました。2週間のフィールドスクールを通じて船の考古学を学んでいきます。
参加者募集期間:2019年12月7日~2020年1月31日
募集人数(定員):12名(最低挙行人数:6名)
*募集期間末日(1月31日)時点での応募者が6名未満の場合には実施しません。
予めご了承下さい。
参加申し込み方法
手続き①:合同会社アパラティスのWEBサイトからお申し込みください。
(参加申込書のダウンロードページはこちらになります)
参加申込書PDFファイルをダウンロードの上、印刷・ご記入し、「apparatus.japan@gmail.com」へ添付メールを送信ください。
または合同会社アパラティスにFAX(0859-30-2033)してください。
手続き②:2020年1月31日時点でお申込み人数が6名(最少挙行人数)に達した場合には参加費お振込みのご案内を差し上げます。
(参加希望者の皆様には最小挙行人数に達し次第連絡を差し上げます。)
手続き③:開催決定ご連絡後、日本と現地(スペイン・イビザ島)の往復の航空券を各自でご購入下さい。
参加費お支払方法
参加募集期間最終日の2019年1月31日の時点で参加希望応募者が最少挙行人数の6人に達しましたら、改めて2月1日に支払方法と振込先の連絡を参加希望者の皆様に連絡させていただきます。
なお、お支払いの期限は2019年2月20日とさせていただきます。
航空券の手配ならびに旅行会社との提携
・今回のフィールドスクールは、現地集合・現地解散です。航空券は参加者の皆様が各自でご購入いただくこととします。
・航空券は信頼のできるインターネット航空券検索サイト(Kayak、KiWi、 Skyscanner、Expedia、CheapOairなど)を通じての購入をお勧めします。
スペインにおける現地サポートについて
・現地ではスペインの水中考古学者によって設立運営されている非営利研究団体のIBEAM (Instituto Balear de Estudios en Arqueología Marítima)が全面的にサポートを約束してくれています。
サポートに対する対価として、IBEAMメンバー2名への4週間分の給与、ならびに参加人数が8名を超えた場合に予想される利益の一部を謝礼としてIBEAMへ支払うことを予定しています。
IBEAMは行政の依頼により長年バリアレス諸島で発掘調査を行っており、地元の宿泊施設、レストラン、ダイビングセンターと良好の関係を築いてきました。今回のフィールドスクールの開催予定期間(3月前半)は現地の観光シーズンを外れているため、IBEAMを通して低価格で質の良い宿泊施設と食事を参加者に提供が可能になりました。
・IBEAMは現地サポートとして、
1)調査の許可取得
2)調査に必要な機材の調達
3)ダイビング機器の手配(タンク、ダイビング機材のレンタル等)
4)宿泊施設の手配
5)食事(レストラン)の手配
6)空港―宿泊施設の送迎
7)現地作業のサポート他を同行スタッフとして行ってくれます。IBEAMはフィールドスクールの終了後も現地にとどまり、引き続いて数週間の現地調査を予定しています。
旅行会社との提携
・今回のフィールドスクールは原則、現地集合・現地解散とします。航空券の手配購入も参加者各自が行っていただくこととします。
・なお、日本国内で集合してグループで渡航・帰国することを希望する参加者、ならびに自力で航空券を手配することができない参加希望者に対応するため、国内の1社以上の旅行会社と提携することを検討中です。
以上
<参考画像>

15世紀スペイン沈没船遺跡には当時の大砲や錨が散乱しています。この水中遺跡ではいまだに正確な実測図は作られていません。今回のフィールドスクールの期間中に参加者は各大砲や錨などの遺物、さらに遺跡全体の実測図を手作業で作成します 。


今回のフィールドスクールの現場となるフォルメンテラ島は地中海に浮かぶスペイン屈指の美しい観光地でもあります。


美しい海と、南ヨーロッパの街並みのなかで2週間をかけて水中考古学と船舶考古学を学んでいきます。