ギリシャ (2018)

フォーニ(フル二)島水中調査プロジェクト
(Fourni Underwater Survey Project)
 

プロジェクトディレクター:ヨーゴ・コウツォフラキス博士 (Dr. George Koutsouflakis), ピーター・キャンベル博士 (Dr. Peter Campbell)

場所:フォーニ(フル二)島、ギリシャ

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Photo Credit: Vasilis Mentogiannis

2018年もフォーニ島に帰ってきました。昨年に引き続き2回目の参加になります。このフォーニ島水中調査プロジェクトは2018年が5年目となるギリシャ政府が主体となりアメリカの研究機関の支援を受けて行っているなっているプロジェクトで、今年までに53隻の古代の沈没船が一つの島の周辺から見つかったというとても珍しいもので、全世界で注目を受けている水中考古学のプロジェクトなのです。プロジェクトディレクターの1人が私の中の良い友人のピーター・キャンベル博士で、彼の要請を受け今年も約3週間エーゲ海の島に行きました。

<プロジェクトの詳しい概要は2017年のページをご覧ください>
フォーニ島水中調査プロジェクト2017

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一年ぶりに帰ってきた感想は「やっぱり美しい」でした。透き通るような空の青と、吸い込まれる海の青。そしてそれを繋ぐ絶壁。こんな場所で水中考古学ができるなんて幸せです。大人の事情で私の撮った水中の沈没船の写真は勝手にはあげれないのですが、このフォーニ島でのプロジェクト専用にウェブページがあるので、それをスクリーンショットで紹介します。

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今年のプロジェクトが去年と少し違っていたのは、その規模。プロジェクトが有名になりすぎて多くの考古学者が代わる代わる参加しに来ました。そのためチームは常に30人規模。それに対して事前に用意していたタンクは30個ほど。一日2回潜る予定だったので全然足りていません。結果的にダイビングは1日1ダイブのゆっくりとしたペースで進みました。40m以上の水深(最深部55m)で毎日2回ダイビングしていた去年とは大違いです。しかも今年は風が強く天気が荒れてダイビングが何日もキャンセルになりました。

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こちらが毎日の食事風景。ギリシャでの仕事の嬉しいところはご飯がおいしいところです。しかもチーム自体も毎日1回だけのダイビングであまり疲れていないのか週2回のペースで夕食前からパーティーを開いていました。

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とにかく陽気なチームメイト達。これぞ地中海のプロジェクトといった感じです。こんな写真ばかり乗っけているとあまり働いていないように思われるかもしれませんが、天気の良い日はしっかり朝の8時から夕方まで働いていました。

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今年はギリシャ人を中心とするチームは去年まで行っていた水中探査(新たな沈没船を見つける作業)ではなく、これまでに見つかった沈没船から重要な遺物を選んで引き上げる作業を行いました。それによって沈没船の積み荷がどこから来たのかがわかるようになります。私がいたアメリカチームは去年に引き続き水中の3次元測量と、それに並行して水中探査も行いました。仕事に追われ毎日が過ぎるのはとても早く、気が付けばすぐに3週間たっていました。

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Photo Credit: Anna Koumbas

実はこの年(2018年)が5年続いたギリシャ政府からの発掘許可の最終年でした。今回新たに5隻の発見が加わり、フォーニ島から発掘された古代沈没船は全部で58隻を数えます。そして2019年はこれまで見つかった沈没船を整理して学会で発掘するために、ひとまずフィールドでの調査は休憩になります。そして2020年からはいよいよ発掘を含めた本格的な調査が始まる予定。私も大好きなチームメイトとまた一緒に働けるのを今から楽しみにしています。

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アドリアス・プロジェクト(クロアチア:2018年)

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