サイパン (2010)

サイパン第二次大戦戦争文化遺産水中公園プロジェクト

(WWII Underwater Maritime Trail in Saipan Project)

プロジェクトディレクター: ジェニファー・マッキネン博士 (Dr. Jennifer McKinnon)

 

サイパン (4)

 

このプロジェクトはオーストラリアのフリンダース大学が主体で行なわれ、フリンダース大学大学院の発掘課外授業もプロジェクトの一部として同時に行われました。

2010年当時、私とちょうどテキサスA&M大学で修士課程一年目が終わり、水中での発掘と記録作業の経験を積めるプロジェクトを探しており、丁度クラスメイトの一人がこのプロジェクトに参加予定だったので、私も生徒として参加することにしました。

サイパン 水中考古学
2010年の現地調査兼課外授業のメンバー。私の後ろにいる女性がマッキネン博士。その後ろが夫のラウプ博士。
サイパン (6)
この4人がルームメイト。隣の二人は現在はアメリカで水中考古学者として働いています。

このプロジェクトはアメリカ政府(National Park Service) からの補助金をもとにフリンダース大学の教授(2010年当時。現在はアメリカ、ノースカロライナ州のウエストカロライナ大学教授)だったジェニファー・マクキネン博士 (Dr. Jennifer McKinnon)主導で行われました。

太平洋に浮かぶサイパンには、現在も太平洋戦争時に使われた船や戦車、戦闘機など数多くの大戦の残骸が水中に眠っています。これらの戦争遺跡の多くが3m-15m程の浅瀬に沈んでおり、神秘的なダイビングスポットとして人気があり数多くのダイバーたちが訪れていました。

しかしながら、これらの戦争遺跡は「そこにある」状態で、一部分のダイバーによる遺跡の一部の持ち帰りや、いたずら書きを残すなどの迷惑行為も目立っていました。

このプロジェクトは、特に浅瀬でアクセスの良い人気ダイビングスポットとなっている遺跡を「そこにある」ものではなく、水中考古学者による実測図から遺跡の地図を作り、さらにそこに遺跡の歴史的な情報を加え「水中文化遺産公園 (Underwater Heritage Trail)」として整備するというものでした。プロジェクトの成果はウェブページにまとめられ、現在も地元のダイビングショップをはじめ、様々な人に利用されています。

こちらがサイパンのプロジェクトのウェブページです。

Battle of Saipan WWII Cultural Heritage Trail

それとこちらは2013年にこのプロジェクト用に作成されたビデオです。

 

サイパン (3)
夕方の様子。各自その日にとったデータをまとめています。
サイパン’水中考古学 9
プロジェクトのウェブサイトに’のっている水中公園の資料。日本軍の大発上陸底。ここにのっている実測図は私が水中で測量したデータとスケッチから作成したものです。これが私の最初の現場での仕事でした。

このプロジェクトで私は初めて水中での実測の仕方と発掘プロジェクトがどのように行われるかを学びました。朝7時ごろ起きて起きて1日2回のダイビングでの作業。その後プロジェクトの基地に戻ってデータをまとめる作業を夜まで行いました。他の考古学者や大学院生たちと一つ屋根の下で過ごし、プロジェクトのゴールに向かって作業する日々はとても新鮮でした。

このプロジェクトで出会った何人かの大学院生たちも現在は卒業して、プロの水中考古学者として頑張っています。彼らとは今でも毎年学会などで再開し、サイパンでのプロジェクトの思い出を話しながらお酒を飲むのが楽しみになっています。

 

 

次の発掘プロジェクト

アナクサムプロジェクト:ステラ・ウノ沈没船水中発掘(イタリア:2011年)

 

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