5日間、クロアチアの国立公園のひとつであるコーナッティ諸島で行われた調査から帰ってきました。今回の調査は陸上で行われたもので、後期ローマ時代から17世紀まで存在していた漁師の遠征用居住地遺跡の現状を調べるためのものでした。遺跡の範囲には中世の砦や塔の跡なども含まれています。
コーナッティ諸島はクロアチアの本土から船で3時間ほどの諸島であり、強い風を受けて土砂は飛ばされ、白い岩がむき出しになった独特の美しい景観を持つ島々です。
今回の調査は考古学者がこの遺跡で行う初めてのもので、今までは遺跡の存在は一部で周知されていたものの、クロアチアの文化庁に遺跡として登録されていたわけではなく野ざらしに放置されていました。今回の調査はイレーナ教授がこの遺跡を文化庁に文化遺産として登録するために、遺跡の範囲と現状を調べるためのものでした。
私の仕事は遺跡の表面を綺麗に掃除し（土砂が遺跡の上に堆積しているのでそれを取り払い、遺跡の形状を表す）、3次元測量で記録するというものでした。
これがなかなか大変。昼は気温が高くなるので、7時から12時まで作業して、12時から4時までは休憩。気温の下がる4時から8時ごろまで作業していました。岩が多いのでそれを取り除く作業は重労働。毎日泥まみれでくたくたになっていました。
しかしながらその景色はどこをとっても美しいもので、電気は発電機と昼間の太陽電池パネルによるものしかないので夜は暗く星がよく見えます。シャワーなどはもちろんなく、風呂は小屋の目の前の海で行うというとてもアウトドアな生活。この様な発掘もいいものです。
クロアチアのチームは金曜日まで現地で作業。私は次の仕事の準備のために一足先に本土に帰ってきました。次のプロジェクトの場所は、、、日本！
約二か月半ぶりに帰国します。
