レタビス沈没船の画像公開。

パグ島でのレタビス沈没船の調査が終了しました。この沈没船は積荷のアンフォラの形状から紀元1世紀前半(ちょうど2000年前)の古代ローマの沈没船であったことがわかっています。この水中遺跡は私たちの友人で普段から水中発掘を手伝ってくれているプロダイバーでダイビングセンターを経営しているべドランが偶然に今年発見したものでした。

このレタビス沈没船は水深37mから39mとやや水深の深いところに位置し、そのためか今まで盗掘者に荒らされることもなく積荷がほぼ完全な形で残っています。

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更に海底が砂地の為に船体の船底部分もかなり保存状態の良いまま残っている事が予想され、今後の発掘によって古代船の造船技術の謎が紐解かれていくと考えられます。

このような貴重な荒らされていない遺跡が発見されるのはクロアチアでも貴重な事で、今回は現場調査のみでしたが、クロアチア政府からザダー大学、ザダー考古学博物館、(国立)考古学保存処理研究所の3つの国立の研究機関が派遣されました。

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私もこれまで60隻近くの沈没船水中遺跡で潜ってきましたが、ここまでアンフォラが当時のまま積み重なった状態で発見された古代船を見たのはまだ数隻目です。

アンフォラの積み山の全長は約19m。そこからこの船の長さが約25mから27mで、船幅が6mから7mほどの輸送船であったと予想されます。

今後、この沈没船の発掘研究によって古代地中海の貿易の様子と古代の造船技術がより鮮明にわかってくる事が予想されます。私にとってもこれからとても楽しみな仕事が1つ増えました。

ちなみにクロアチアも10月の後半に入りだいぶ涼しくなってきました。そして海底は極寒です。見事に私たちのチームは全員風邪で全滅しています。風邪を引いたまま水深39mに1日2回、5日間。試練でした。

そしてすでに私達はトゥコンのチームベースに戻りグナリッチ沈没船の今年の総仕上げ(水中でのお片付け)に取り掛かっています。クロアチアでみんな咳き込みながら潜っています。

忍耐!

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